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「障害」として語る前に Fonteより

 

最近やたらと「〇〇障害」とか「〇〇症候群」という目新しい障害名を耳にする。

学校の周辺でもっともよく聞かれるのが学習障害だが、これはいくらか歴史がある。

といっても日本で騒がれはじめてまだ十数年というところだろうか。

それに最近のはやりが注意欠陥多動障害。

いずれも曖昧なものだが、これをLDだのADHDだの略語でいうと、何かしら専門的な気分になるらしく、やたらと頻発する人がいる。

犯罪の世界では、一見、理解を超えた種類の事件があると、人格障害とか行為障害とかいう用語が出てくる。

これも最近の傾向である。

アスペルガー症候群などのように対人関係の難しさをもった人々が、周囲の無理解のなかで犯罪行為におよんで、まるでこの症候群自体が犯罪の原因であるかのように報道されたこともある。

あるいはパニック障害とか、最近は社会不安障害などというものも、ことばとして、はやりはじめているらしい。

私自身が大学の講義で「パニック障害のため」というような欠課届けを学生からもらって、あらためてこの種の「障害」の広がりようを意識するようになった。

自分の意志ではコントロールできない強迫的な観念や不安・恐怖が「障害」の名で語られ、時に薬物医療の対象となっているのである。
こうした新来の「障害」名を聞くたびに、いつも私はなにかいかがわしさを感じてしまう。

どうしてだろうか。

「障害」ということをめぐっては、それこそ何十年来の議論がある。

一つには障害を克服し、あるいは軽減し、その人本来の発達可能性を最大限実現しようとの考えがある。

これが発達権とか発達保障ということばで語られたのは、1960年代からのことである。

障害をもつ者を差別し、我が身の周辺にあったときはそれをひたすら隠すというたぐいの旧来の在り方に対して、当時、これは画期的な考えだったかもしれない。

しかし障害の克服・軽減、あるいは発達を眼目として、ひたすら専門的な手立てを求める発想にはやはり違和感がつきまとう。

もう一方に障害を個性としてみる見方がある。

障害を克服すべきもの、軽減すべきものとしてみる見方のなかには、当の障害を抱えた人そのものを否定するニュアンスがつきまとう。

実際、克服・軽減にも限度がある。

にもかかわらずこれにこだわり続けるかぎり、障害は当人にとっていつまでも異物でありつづける。

それは苦しい。

ならば、むしろ障害をありのままに受け入れて、個性として引き受けようというのがこれである。

主として当事者たちによって打ち上げられたこの考えは、いささか格好がよすぎるところもあるが、気分としてよくわかる。

人間には自由にならないことがある。

それは知的障害とか身体障害とか視聴覚障害とか、あるいは精神障害とか、いわゆる福祉法にのっている「障害」が典型だが、もちろんそれにとどまらない。

とりわけ人間のこころは不自由である。

新来の「障害」はいずれも、自分でコントロールできない部分を問題にしている。

しかしはたしてそれらをあらたに「障害」と言わなければならないものだろうか。

「障害」と言うことでかえってその部分を異物として、自分の外に押し出してしまうことになりはしないだろうか。

また安易な薬物治療は、まさに異物でもって異物を処理する、しかも中途半端なかたちで処理することにしかならないのではないだろうか。

人間のできなさ、あるいは不自由は異物ではなく、むしろその本体である。それをありのままに引き受けたところで、それぞれの人の生きるかたちがつくられてくる。

そうだとすれば、人間の不自由を私たちがどのように捉えていくのかということこそが本来の問題であって、これを「障害」に帰するというのは、もっとも安易で、貧しい思想なのではないのだろうか。

 

はまだすみお
1947年香川県生まれ。

京都大学大学院文学研究科(心理学)博士課程修了。

発達心理学を批判的に捉え、「私」というものがどのように成り立っていくかを主要テーマにしている。

また、冤罪事件や自白の問題についての研究も多い。

現在、奈良女子大学文学部教授。

日本法と心理学会理事長。

著書に『発達心理学再考のための序説』(ミネルヴァ書房)、『「私」とは何か』(講談社)、『ありのままを生きる』(岩波書店)、『自白の心理学』(岩波新書)、『<うそ>を見抜く心理学』(NHKブックス)など多数。

 

※2002年5月15日 不登校新聞掲載

 

NPO法人全国不登校新聞社が発行する、不登校子ども若者教育社会問題、等を発信するタブロイド版新聞Fonte(フォンテ)より

http://www.futoko.org/special/special-46/page0416-2288.html

 

 

 

 

障害と子どもたちの生きるかたち (岩波現代文庫)

 

 

人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線


 
 
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[tag] はまだ すみお
[ 2012/04/18 16:40 ] 障害科学 | TB(0) | CM(0)
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